女性中小企業診断士として独立後、公的支援・公的業務の仕事はどうやって増える? 1年やって見えたリアル

独立して2年目。公的支援・公的業務に関わりはじめて、約1年が経過しました。
最初に思っていたことと、実際に現場で起きていたことは、正直かなり違いました。
どうやって仕事は来るのか?
何をすれば評価されるのか?
そして一番大きかったのは、この感覚です。
仕事の報酬は「次の仕事」になる
今日は、これから診断士で独立を考えている方が気になるであろうこのテーマを、できるだけリアルに整理します。
公的支援に興味を持った理由
独立を考えはじめたとき、公的支援の仕事は最初から気になっていました。
- いろんな業種・フェーズの事業者さんに出会えること
- 実務経験を積めること
ただ正直、不安の方が大きかったです。
前職では約20年、Webマーケティングや事業を担当してきましたが、それはあくまで「企業の中の一機能」にすぎない。 「支援者としての実績」は、ほぼゼロからのスタートです。
- こんな経験で、公的支援の現場で通用するの?
- 経験がなくて、事業者さんに役立つ支援ができるの?
- "専門家"を名乗っていいのか?
「あれも足りない」「これも足りない」——ずっとそんなことを、ぐるぐる考えていました。
まず、アンテナを張ることから始めた
そんな中、はじめたことはとてもシンプルでした。
- 公的機関の「専門家・委嘱募集」ページを探してブックマークする
- 地元の診断士の団体に入り、メーリングリストの案内を確認する
- 12月頃から募集が出はじめるので、その時期はほぼ毎日チェック
募集情報は待っていても届かないので、自分から取りにいく必要があると感じました。
そして、普通に落ちました
で、結果どうだったかというと。
書類で、ばんばん落ちました。
「やっぱりそうか……」というのが、そのときの正直な感想です。
任せる側からすれば、実績が見えない人にいきなり仕事を任せるのは当然リスクがあります。能力がないというより、「どんな支援ができる人なのかが見えにくい」。そこが大きかったのだと思います。
正直「残念ながら…」が届くのは悲しかったし、自信はかなり揺らぎました。
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独立1年目の全体的な振り返りは、こちらの記事にも書いています。
【40代女性中小企業診断士として起業1年。独立して分かった、きれいごとではない現場のリアル】
声がかかったのは、思いがけない方向からだった
選考で落ち続けた、そのあとのことです。
正直、少し心が折れかけていました。
そんなタイミングで、全然別の方向から、2件ほどチャンスが舞い込んできたのです。
1件は、勉強会でたまたま同じチームになった方から。きっかけは、「住んでいるエリアが近い」ということでした。
そのときのお声がけが、
「伊藤さんって、マーケ得意ですよね」
という言葉でした。
選考では通らなかった。なのに、勉強会で一緒になっただけの方が、私の専門性を覚えていてくれていた。
自分では「一部しかやっていない」「まだ使えない」と思っていたことが、相手の目には「使える専門性」として映っていたのです。
さらに、尊敬している診断士の先輩からも、「自信をもって専門家と言いましょう」とアドバイスもらえたことが、じわじわ効いてきました。
「私が専門家を名乗っていいのか問題」は、選考結果ではなく、こういう小さな積み重ねで、少しずつ腹が決まっていった感じです。
専門性って、「全部わかること」じゃないのかもしれない
私はずっと、「専門家」というのはまだまだ自分とは遠い存在だと思っていました。何でも完璧に答えられて、豊富な実績がある人。そんなイメージです。
でも実際に現場に出てみると、少し違う景色が見えてきました。
- 全体を俯瞰的に把握できること
- 何が課題か把握できること
- 他の人より少し解像度が高いこと
- それを相手の文脈で言葉にできること
これでも、価値になる場面があるのだと感じています。
「専門性を持っているかどうか」というより、「相手が使える形になるかどうか」の方が大事なのかもしれない。これは現場に出てから、じわじわ感じてきたことです。
今関わっている公的支援の仕事は、大きく3種類
現在関わっている公的支援の仕事は、おおきく3種類あります。
① 窓口相談
創業支援やWebマーケティングをテーマに、事業者さんの相談に乗ります。短時間でさまざまな業種・フェーズの方と向き合う必要があります。
② 専門家派遣
特定の企業に専門家として訪問し、より深く伴走する仕事です。窓口相談よりも継続的に関われる分、変化を一緒に見届けられるやりがいがあります。
③ セミナー講師
窓口や専門家派遣を行っている公的機関から依頼されることが多いです。「たくさんの方に伝えること」を磨く場になります。
3つとも「教える」というより、一緒に考えて、次の一歩を作ることを大事にしています。
どうやって仕事が増えていったのか
診断士の仕事は、やはり「紹介でつながる」ことが多いのではないかと感じています。
ただ焦ってもこない。忘れたころにくる。という感覚です。
特に印象に残っているのが「診断士の仕事の報酬は仕事」という言葉です。
公的支援でも、担当者からのご紹介や、ご支援した事業者さんが次のご紹介をしてくださったりで、少しずつ広がってきました。自分からバリバリ営業した、というより、仕事の延長で次の仕事につながっていく感覚です。
公的支援の場合は「営業力があるか」よりも、目の前の1件をどう支援したかの積み重ねの方が、あとから効いてくる気がしています。
公的支援は、ラクではないけれど
正直に書いておくと、公的支援の仕事は楽ではありません。
- 短時間で高い解像度が求められる
- 成果が見えにくいこともある
- 報告書や、できること・できないことの制約がある
単価の面でも「効率のいい仕事」とは言いづらい面もあるかもしれません。
それでも続けたいと思うのは、経験値の蓄積ができるからです。さまざまな業種・フェーズの事業者さんに触れながら、限られた時間で構造をつかんで言葉にする。単発でなく、中長期に事業者さんの成果に伴走できる。この関係性と密度は、他には代えがたい価値だと感じています。
おわりに
公的支援に1年関わってみて、いちばんしっくりきているのはこの感覚です。
仕事の報酬は、次の仕事になる。
目の前の案件でどんな支援をしたかの方が、後からじわじわ効いてくる。少なくとも私が今見えている範囲では、そんなふうに感じています。
まだまだ独立2年目なので、見えていないことの方が多いです。それでも、独立初期に「公的支援ってどうやって入るの?」と迷っている診断士の方に、
- 最初は落ちてもいい
- 小さな専門性でも、ちゃんと価値になることがある
- 目の前の1件をこなすことが、次につながる
そんなふうに思える材料になれば、うれしいです。
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◆あわせてこちらもお読みください:
40代女性中小企業診断士として起業1年。独立して分かった、きれいごとではない現場のリアル

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