使うつもりで学ぶ。学んだことを使う。|恩師の言葉から考えた、学びを実践につなげる4つの方法

学んだ知識を実際に使うために、知っておきたい4つの方法
こんにちは、女性中小企業診断士のはるこです。
東京多摩エリアで「女性の起業支援」や「デジタルマーケティング」支援をしています。
今日は、中小企業診断士の恩師からいただいた言葉に、あらためて感動したので、こちらにまとめてみました。
その言葉が、こちらです。
使うつもりで学ぶ。
学んだことを使う。
聞いた瞬間、
「うわあ。本当にそうだなあ」
と思いました。
私は、もともと学ぶことが好きです。
本を読んだり、セミナーに参加したり、新しい考え方に触れたりすると、それだけで少し前に進んだような気持ちになります。
「今日は勉強したなあ」
「いい話を聞いたなあ」
それなりの充実感もあります。
でも、ふと考えました。
うーん。
なんで私は、学んだことをすぐに使えないんだろう……。
「あれ、どこかで聞いた気がする」
「この前の本に書いてあったはず」
そんな知識はたくさんあるのに、必要な場面ではなかなか出てこない。
そして、そのままどんどん忘れていく。
頭の中には、「積ん読」ならぬ、「積ん知(積んであるだけの知識)」が大量にあるような気がします。
時間も、お金も、労力もかけて学んだのに、これはあまりにも、もったいない。
はるこ せっかく学んだことの効果を、
最大化するにはどうしたらいいんでしょうか?ハルコアラ先生 そうですね。それではこれから「知識を実践」につなげる方法について、調べてみましょう。
「分かる」と「使える」の間には、橋が必要だった
セミナーを聞いているときには、
「なるほど」
「よく分かった」
「明日からやってみよう」
と思っていたのに、翌日の仕事では、いつものやり方に戻っている。
これは、必ずしも理解力や意志の問題ではありません。
学んだときの状況と、実際にその知識を使う状況が、頭の中でうまく結びついていないことが一つの原因です。
学習心理学では、ある場面で学んだ知識や技能を、別の場面でも使えるようになることを「転移」と呼ぶそうです。
つまり、
知識を得ることと、
必要な場面で取り出して使うことは、別の段階
なのです。
私はこれまで、
「きちんと理解できれば、自然に使えるようになる」
と思っていたところがありました。
でも、そうではありませんでした。
「分かった」から「使える」へ進むには、学んだことを自分の状況に当てはめ、実際の行動へ移す工程が必要だったのです。
はるこ ということは、もっとたくさん勉強する前に、“使うところまで”を考えたほうがいいんですね
ハルコアラ先生 そうですね。学ぶ量より先に、学びの出口を設計してみましょう
学びの完了条件(出口)を考えてみる
では、学んだことを実践につなげるためには、具体的に何をすればよいのでしょうか。
私は、次の4つに整理してみました。
- 学ぶ前に「使う場面」を決める
- 「ということは、私は?」まで考える
- 小さく、早く使う
- 「いつ使うか」まで予約する
この4つのステップで、ここからは説明していきます。
1.学ぶ前に「使う場面」を決める

まずは、学び始める前に考えます。
これは、どこで使うのか?
たとえば、「マーケティングを勉強する」だけでは、少し広すぎます。
代わりに、
- 次のInstagram投稿の表紙を改善するため
- 次回の顧客ヒアリングで、質問を一つ試すため
- 自分のサービスの伝え方を見直すため
- 提案書の構成を改善するため
というように、使う相手や場面を具体的にします。
同じ本を読んでも、
「何か役に立つことがないかな」
と読むのと、
「次の顧客面談で使える質問を一つ見つけよう」
と読むのでは、拾う情報が変わります。
「使うつもりで学ぶ」とは、ただ漠然と目的意識を持つことではなく、未来の使用場面を思い浮かべてから学ぶことなのだと思います。
学びの入口に立ったときに、先に出口も決めておく。
これが、最初の橋です。
2.「ということは、私は?」まで考える

学びながら、たくさんメモを取ることもあります。
ただ、メモを取っただけでは、まだ情報を保存している段階です。
そこで、もう一歩進めます。
「なるほど」で終わらず、
「ということは、私はどうする?」まで考える。
たとえば、「発信では冒頭の言葉が重要」と学んだとします。
それを、次のように自分の仕事へ翻訳します。
| 学んだこと | 私の場合 | 最初に変えること |
|---|---|---|
| 発信では冒頭の言葉が重要 | 読者には、情報が多すぎて動けなくなっている女性起業家が多い | 次の投稿は、読者の悩みを表す一言から始める |
ポイントは、学んだ一般論と、自分の現場の間に一文を挟むことです。
- 自分の仕事では、どこに当てはまる?
- 自分のお客様なら、どう感じる?
- 今のやり方の何を変える?
- 次の仕事で使うなら、どう使う?
ここまで考えることで、一般的な知識が「自分が使える知識」に変わっていきます。
学習法に関する研究でも、読み返しや線引きだけに頼るのではなく、記憶から内容を取り出す練習や、間隔を空けた学習が有効と評価されています。自分の言葉で説明し直す方法にも、一定の有効性が認められています。
参考:効果的な学習方法に関する包括的レビュー
つまり、学びながら、
「これは、私の場合にはどういうこと?」
と自分に問い直すこと自体が、学びと実践をつなぐ橋になるのです。
3.全部ではなく、一つだけ使う

学んだことを、全部実践する必要はありません。
むしろ、全部やろうとすると動けなくなります。
本を一冊読んで、書かれていたことをすべて実践しようとしたら、それだけで一大プロジェクトです。
橋も、重すぎると落ちます。
最初は、これくらいで十分です。
- 一文だけ書き換える
- 質問を一つ試す
- テンプレートを一か所変える
- 誰かに自分の言葉で説明する
- AIへの指示文を一つ変える
- 次の打ち合わせで一つだけ意識する
そして、資料や本をいったん閉じて、
今日の学びを、一つだけ言うなら何だろう?
と考えてみます。
見ながら確認するのではなく、思い出そうとする。
この「記憶から取り出す」という行為そのものが、学習になります。
さらに、同じ知識を異なる事例に繰り返し当てはめることで、新しい状況への応用を促せることも実験で示されています。
大切なのは、立派な実践計画をつくることではありません。
小さくても、「実際に使った」という経験をつくること。
一つ使えば、
「この方法は使えそう」
「ここは少し変えたほうがよさそう」
「まだ理解が足りなかった」
という結果が返ってきます。
その結果まで含めて、学びなのだと思います。
4.「今度使う」を、行動の予約に変える

「これは使えそう」
「今度やってみよう」
そう思ったまま、忘れてしまうこともあります。
私の場合、「今度」は、なかなか来ません。
そこで、「今度」を具体的な場面に変えます。
もし○○の場面になったら、△△する。
たとえば、
次の顧客面談で、相手が課題を話し終えたら、
「それが解決すると、何が変わりますか?」と聞く。
あるいは、
次にInstagramの投稿をつくるときは、
最初に「読んだ人に、何をしてほしいか」を書き出す。
このように、使う場面と行動をセットにしておきます。
「もし○○なら、△△する」という計画は、心理学では「実行意図」と呼ばれています。
研究では、特定の状況と行動をあらかじめ結びつけることで、その場面に気づきやすくなり、意図した行動を取りやすくなる仕組みが示されています。
参考:実行意図が行動につながる仕組みに関する研究
予定表に「実践する」と書くだけでなく、
どんな場面になったら、それを思い出すのか
まで決めておく。
これが、学んだことを現場へ連れていく最後の橋になります。
使ってみると、次に学ぶことが見えてくる
学んだことを一度使ったら、それで終わりではありません。
実際に使ってみると、
- 思ったよりうまくいかなかった
- この部分は理解が浅かった
- この場面では使いにくかった
- 少し変えれば、別の仕事にも応用できそう
- 次はここを詳しく調べたい
という、新しい問いが生まれます。
このとき、学びと実践がつながります。
学ぶ
↓
自分の状況に翻訳する
↓
小さく使う
↓
結果を見る
↓
次に学ぶ
次の学びは、ただの情報収集ではありません。
実践の中で生まれた課題を解決するための、目的のある学びになります。
はるこ 使ってみると、また分からないことが出てくるんですよね
ハルコアラ先生 それでいいんです。実践は、理解が足りないところを教えてくれます。そこから始まる学びは、使い道がはっきりしていますから
学んでから実践する。
そして、実践からまた学ぶ。
この循環が回り始めると、知識は「積んであるもの」ではなく、少しずつ「使えるもの」に変わっていくのだと思います。
ハルコアラ先生 ところで、はるこさんは、この言葉を最初に何に使ったのですか?
はるこ まず、このブログを書きました(笑)
学びを増やすだけで終わらせず、学びと実践の間に、小さな橋をかける。
私も、まずは今日学んだことを一つ使うところから始めたいと思います。

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